Q.12
ピアスタッフ、ピアサポーターは、自分自身の病の経験を活かすと聞きますが、業務の中でどんな風に活かしているのか具体的に教えてください。
<質問者:ピアスタッフとして働くことを希望する当事者の方>
<レスポンスしてくれた人>
お名前:興梠 秀市(こうろぎ)さん
地域活動支援センターみなと
ピア相談
地域移行支援
障がい者交流
…などなど
業務内容:
お立場:
ご地域:宮崎県
障がいに悩む方たちの病気の経験は、たとえ同じ病気であったとしても周囲の環境や年齢などによって人それぞれ違いますし、受け止め方もさまざまです。
でも、自分の障がいからリカバリーへ向かって行く経験は、障がいを持った方々とコミュニケーションをとることで、段々と分かり合えるようになっていけるのではないでしょうか。
具体的に「病の経験を活かす」取り組みとして、毎月1回から2回、地域活動支援センターの利用者である障がいを持った方々に対して相談会を実施し、自分のこれまでの病気の経過と対処法などを話しています。話しをするうちに、当事者の方と関連性のある場面なども出てきて、段々と打ち解け、話しがスムーズに進んでいきます。
「ああ、こういった考え方もあるんだな」「こうやればうまくいくんだな」など、いろんな思考が見えてきたりして、当事者の方だけでなく、自分自身の気づきにもつながり勉強になっています。
(2023.2.14掲載)
本質問回答の掲載は草の根市民基金・ぐらんさんの助成により実現しています。
ピアサポーターのグループ活動としては、長期入院患者さん達との将来的な交流を目的に、これまで毎月二回話し合いを行って来ました。その中で、まず、ピアサポーター同士で病気の経験をそれぞれ語り合い、分からないことや困ったことなどについて質問を交えたりして相互理解を深め、話し合いを繰り返しています。そのなかで、さまざまな病気について学ぶことができ、少しずつですが自信へと変わり、病院訪問への足掛かりとなりました。病院訪問では、いくつかのグループに分かれ、長期入院患者さん達に自分達の体験談を語ります。同じような経験をした仲間であることを伝え、アイスブレイクで気分をほぐしながら、話し合いを行って来ました。
コロナ禍となってからは、なかなか対面での交流会は難しくなりお会いすることも出来なくなってきましたが、ピアサポーターの近況などや励ましの言葉を書いたポスターを配布して掲示いただき、交流の絆を繋げています。
また、私たちグループの活動に賛同された福祉系の大学から声が掛かり、学生さんに講義を行うこともしています。同じく精神保健福祉士協会や相談支援専門部会などの研修会にも参加して、自分のリカバリーストーリーを伝えることでピアサポートへの普及に努めています。
「病の経験を活かす」ということは、簡単なことではないと思います。でも、ただじっと待つだけではなく、相談会、研修会の参加など、自分から発信を続けていくことも大事なのかもしれません。