2022.07.27掲載
【開催レポート】第2回_オンラインイベント(2022.07.16)
7/16(土)に、しっぷろ主催での第2回オンラインイベントを開催しました。当日ご一緒くださった参加者のみなさま、誠にありがとうございました。以下に、開催報告としての開催レポートを掲載いたします。
~開催概要~
【日程】2022年7月16日(土)
【時間】13時半~15時
【内容】経験的知識について知ってこ!の会
【ゲスト】栄セツコさん
【ご参加人数】しっぷろメンバー含めて、約18名程
【参加対象】
現在または過去に、ピアスタッフ・ピアサポーターとして働いている(いた)人
※しっぷろメンバーふたりに書いていただきました。
参加レポート
今回は栄セツコさんを囲んで(Zoomだったけど)、体験と経験とそして知識についてみんなで学びを深めました。前半のセツコさんからの話題提供では、「体験と経験の違いってなんだろう?」という問いだてから始まって、
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経験は知識や知恵となっていく
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「私」の経験から「私たち」(ピアスタッフ)の知識や知恵を生み出すことが大事
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経験から蓄積された、その「私たち」の知恵こそが経験的知識
といったメッセージをいただきました。
後半は、参加者の皆さんの語り合いの場でした。「Lived Experience」という英語の言葉に対する「生きられた知識」という日本語の言葉についての意見などが交わされました。
今回の講演会で、私がグッときた言葉は、「他の当事者と体験や経験の分かち合いをしていない人は、自らの限界や、他人との相違がわからない」という前半のセツコさんのお話で紹介された言葉でした。そして、ピアスタッフにとっては、お互いの交流が大事なんだなということを改めて知りました。なぜならそのお互いの交流から、私たちの「経験的知識」は生まれてきて、それがピアスタッフの専門性となっていくのだと理解したからです。
セツコさんは、ソフトな関西弁で、ユーモアを交えつつ、易しい言葉を使ってお話ししてくださいました。けど、難しかったー!! 頭を使う心地よさを心ゆくまで味わいました。
しっぷろ:にしこの開催レポート
7月16日土曜日、オンライン講演会第二弾が開催されました。テーマは『「経験的知識」について知ってこ!』で、桃山学院大学の栄セツコさんをお招きして行われました。
ピアサポートの中で、自分自身の体験・経験の語りはとても大切なものとして扱われています。最近は「経験的知識」という言葉が聴かれるようになり、ますますその重要性が注目されていますが、言葉だけでなく、その意味についてみんなはどう考えている?どう現場で使っている?ということを語り合う場となりました。
実感したのは、日本でピアサポートを仕事とする方が増える中、その語りが相手に対して何を提供しているのかを考える段階に来ていること、その一歩を進めるためには「一人の体験」が皆で共有され、「ピアサポートの経験・知識」へ進めていく必要があるのでは、ということ。とても挑戦的なテーマとなりましたが、今語り合うべき重要なテーマであったと感じています。今後もこのテーマを深堀りしていきたいと考えています。
しっぷろ:えみの開催レポート
参加者アンケート
※回答は任意とし、参加者に回答協力頂きました
Q.1 今日のイベントはどうでしたか?
とても楽しかった・学びになった 5 … 4人
・ 4 … 3人
・ 3 … 2人
・ 2 … 0人
期待していたものと違った 1 … 0人
Q.2 今回ご自身にとって学びになったことがあったとしたらそれはどんな事でしたか。
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皆さん、すごい考えているんだなぁと思いました。
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経験的知識という言葉の意味や用い方を学ぶことができた。また、lived experienceという、生きられた経験と訳される言葉の本来の意味について学び、深めることができた。
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自身の経験の取り扱い方について長年悩んでいましたが整理の仕方を学び、客観的にいろんな方が使えるものとしていくにはどうしようかと悩みの方向性付けができました。
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体験は一瞬一瞬していることで、経験はいったん振り返る、というセツコ先生のお話がとてもストンときました。セツコ先生のお話、自分のほかの疾患に関する経験的知識などでとても納得いく感じがありました。ありがとうございました!
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体験の経験の違いが学びになりました!
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体験と経験が意味するところの違い。個人の体験の語りから始まり、それが経験的知識として伝えられていくまでのプロセス、構造を知ることができました。ありがとうございました。
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経験と体験の違いが明確に理解できたこと。
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個々の自分の体験を振り返りながら仲間と話す→「ええやん」「ためしてみよう」と思い「ええかも」となったものを「経験的知識」としてまとめられたらとのお話。ただ体験をきいたり、伝えたりするところから自分自身で追体験でき経験できる一歩深めることができるのかもと思いました。
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体験、経験について整理を知ることができ、用語の整理ができたことです。
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参加者や講師の栄さんのコメントからは、専門的知識と経験的知識を対比して捉えている印象を受けました。生の意見を聞けて参考になりました。
Q.3 その他自由記載(メッセージや感想などご自由に)
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今日もありがとうございました。みなさん色々考えているんだなぁ、すごいなと思いました! 次回も楽しみにしています。
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内容が難しめでしたが、いろいろ方々のご意見やお話をうかがえて、内容を深められて有意義な時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
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「本日は経験的知識」という考えを学べてとてもうれしかったです。所内でも来週今日学べたことを職場の皆とも共有させて頂きます。また他のピアスタッフの方のお顔もたくさん見えてとてもうれしかったです。ありがとうございました!
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今日は楽しい時間をありがとうございました!
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また同様の学びの機会をおねがいします。
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内容的にとても難しく、短時間ではなかなか消化できないと感じました。私自身に、当事者運動やセルフヘルプグループの歴史などの基礎知識があったら、もっと理解が深まったように思います。
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緊張し、時間内には、うまく言葉にできませんでしたが、新しい方に経験を残したり、伝えたり、バトンタッチしていくために何か一つの形ができたらと思いました。 この企画を考えてくださったしっぷろの皆さん、栄先生ありがとうございました。
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経験的知識と言われるものの「知識」がさしているものが広すぎると感じるので、今後、具体的な議論になる考えやすいと思いました。今回のお話や意見交換においても、①当事者の生活やメンタルがよくなるためのライフハックやTips的なノウハウ、②ピアスタッフとしての価値、行動規範、③自分の体験から来る人生経験的な何か、、などが混じっていたように感じています。「私たち」の経験的知識を議論するのであれば、言葉を整理しておく必要があるだろうと思いました。
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体験を振り返るなどすることで経験になるような理解をしましたが、体験→経験という一方向の流れなのか?という疑問も持ちました。自分では過去のことになり解決済みの出来事が、別の体験をしたり、視点を学ぶことで、ぐらついたり、揺れ動いたりすることがあるのではないかと思います。体験が経験に昇華したと思っていたことが、経験を見つめ直す機会が増えたりすることで、言葉にできないような生の体験に分解されるようなことがあるのではないかと思います。この1、2年、個人的には悩んでいることです。一般的にも、例えば、子育てを始めたことで、憎んでいた親への想いが変わり、戸惑いが生じた話も聞きます。
本イベントは草の根市民基金・ぐらんさんの助成により実現しています。