​No.004 (2020年12月掲載)

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最初の質問

紹介してくれた人】​松本 衣美さん (医師/診療所勤務/東京都)

【お勧めする理由】

なんだか息をつめて走っていることがあるのです。毎日毎日、こなすことに精一杯になって、周りの景色にも目を留めずに、何かしらの評価を得ることを目的に。そして、ちょっと立ち止まった時に、あれ?結局自分って何がやりたいんだっけ?と思うことがあります。

 

この本は、長田弘さんの詩に、いせひでこさんの絵が添えられています。べージをめくるごとに、長田さんからの問があります。雲の形、風のにおい、耳を澄ますと何が聴こえますか…

 

そのたびに、立ち止まって考えます。でも答えが出ないものもあります。

あなたにとって、「わたしたち」というのは、誰ですか。

問いと答えと、いまあなたにとって必要なのはどっちですか。

  

私はこの質問にドキッとしました。この本をめくるたびに、ちょっと待って。今、何を感じでいますか?自分というものの豊さ、世界の豊かさを知っていますか?と長田さんから問いかけられているような気がします。毎日、答えが違うかもしれない。そして本を読んだ人によっても答えが違う。こんな万華鏡のような本に出会ったのは初めてのように思います。

 

今は時間が早く過ぎて、本当にこなすことが精いっぱいになっています。小学校の時、前を見ずにがむしゃらに走って、電柱に思いきりぶつかったこともある(今思ってもなんでそんなことになったのかわからない)のですが、その時の気恥ずかしさや、ひっくり返ったときの空の青さはこんなに覚えているのになあと思います。

 

さて、最後の2行の問いかけに、私は一番ドキッとしたのですが、皆さんはいかがでしょうか。なぞかけのように終わってしまい、申し訳ないのですが、是非、本屋さんで、図書館で、長田さんからの問いに触れていただければと思います。