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​No.009 (2022年9月掲載)

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O・ヘンリ短編集(1)〜(3)

【紹介してくれた人】​高橋 哲さん(ピアスタッフ/埼玉県)  

【お勧めする理由】

この本は私が20代半ば頃に初めて読みました。

 

その当時、引きこもっていて社会や人との繋がりは皆無でした。病状や生活はとても不安定で絶望真っただ中でした。たまたま図書館で目に付いたこの本を読みました。

 

人との繋がりを通じてのとても幸せなエピソードが多くて自分自身もその瞬間は充足感を得ることができました。それがきっかけで19世紀後半から20世紀中頃までの西洋文学に興味を持ち、引き込まれ、読み漁りました。物語の主人公の人生における他者との関わり、苦悩、葛藤、幸せといった様々な生き方を見て、私も少し他人に興味を持つことや外に意識を向ける気持ちがでたと思います。

 

そのころから徐々に社会とのつながりが欲しい、一人は孤独だという気持ちを抱くようになりました。もちろん本の影響が全てではありませんが、少なからずは影響していたと思います。それから間もなくして居場所を求めて動くことができ、障がい者バレーボールと出会い、多くの仲間と様々な経験をしていることが私のピアサポートの原点となっています。

その後活動的になっていくにつれて読書の時間は減ってしまいましたが、Oヘンリ短編集は読みやすいので時々読み返していました。読むたびにその時の自分自身の状態に応じて感じることが違い、多くの発見をすることができました。

 

本は自分自身の鏡のようなところがあるのだなと思います。この短編集を通じて自分自身がどこに幸せや癒しを感じるのか探してみてください。きっと人と繋がりたくなると思います。

こちらの紹介文掲載は草の根市民基金・ぐらんさんの助成により実現しています

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