Q.11
ピアスタッフ、ピアサポーターとして働く自分自身の、日頃からの体調管理についてどのようにされているか、工夫や自分にとって役に立つ考え方などを教えてください。
<質問者:今まさにピアスタッフ、ピアサポーターとして働いている方>
<レスポンスしてくれた人>
お名前:陶延 彰(すえのぶ あきら)さん
自立生活センター(CIL(※)
基幹相談支援センターでの
相談支援業務
講演活動
職場内でのピアサポート
…などなど
業務内容:
(2023.2.14掲載)
お立場:
ご地域:大阪府
まずピアサポーターとして働くにせよ別のお仕事で働くにせよ、病気のコントロールが欠かせません。
その為の1つで、おそらくもっとも大事なのが服薬です。
退院から4年ほどたった時でした。私の調子が良くなってきて「もう大丈夫だろう」と薬を飲み忘れたりしていた時に再燃して大きく調子を崩しました。私は1日3回食後に服薬するのですが、飲み忘れのないよう財布に1日分の薬を入れるようにして忘れないように工夫しています。最近はスマートフォンやスマートウォッチなどでも朝・昼・夕に知らせてくれるように設定しています。
薬の副作用がでて飲むのが嫌だという方もいらっしゃるようなので医師とよく相談してください。ただ医師は病気を抑える主作用とその薬に伴う副作用のしんどさを天秤にかけて薬をだしているので、こんな副作用があって困っていますと伝えて、他に手がないか相談してもらえばいいかなと思います。
あとは十分に睡眠時間をとること。睡眠時間は個人差があります。同一人物でも病気が急性期や回復期、維持期などで違います。夜よく眠れない人は昼寝などでトータルの睡眠時間を確保するのもひとつの手です。しかしピアサポーターとして働くのは、たいてい日中なので昼間は起きて夜ぐっすり眠れるようになれたら最高ですね。
また、私の経験では自分のやる気のオン・オフのスイッチが壊れていたため、活動と休息を意識してメリハリをつける練習をしました。本当は疲れているのに自分で感じることができずに後で調子が悪くなっていたので、疲れている感じがなくても休憩をとるようにしました。
セラピーも本やインターネットを参考に自分でやってみました。
・朝、太陽の光を浴びる。
・1日30分ほどの散歩など軽い運動やストレッチをする。
・夜にシャワーではなくお風呂に40℃くらいのぬるま湯で10分ぐらいつかる。
・アロマテラピーなどでリラックスする。
・好きな音楽を聴く。
・バランスのとれた食事
・乳酸菌飲料を飲んでみる
・規則正しい生活
・深い呼吸を意識する
・「認知行動療法」や「NLP」等を勉強して取り入れてみる
ここに書いたセラピーは医学的・心理学的な理論や根拠がありますが詳しい仕組みを知りたい方はキーワード(自律神経、リラクゼーション、心理療法、作業療法など)で調べると色々出てくると思います。私はいろいろなことを試しながら健康管理してきました。私の経験ではずばり服薬と睡眠がうまくいきだすと、良くなっていく感じも湧いてきたと思います。
私は頑張りすぎると調子を崩す傾向にあるので、何事も「ほどほど」を念頭において活動しています。
(※)自立生活センターとは…
障害のある人が地域で自分らしい暮らしができるためのサービスや情報提供を行います。またそのために行政・立法に働きかける運動団体でもあり、全国各地にあります。事業実施責任者や運営に関わる者の過半数は障害者です。介助サービス、ピア・カウンセリング、アドボカシー(権利擁護)、自立生活プログラム、住宅サービスを行っています。
本質問回答の掲載は草の根市民基金・ぐらんさんの助成により実現しています。